朝のいつもの風景
朝6時40分にピッピッピッピッピッといつものアラーム音が鳴る。
我が高校生の息子・太郎(仮名)は2階の部屋で寝ているが、目覚まし時計で起きたことがほとんどない。
野球に燃える太郎は部活の朝練が7時半からあるので、自転車通学の彼は7時10分には家を出ないと間に合わない。
息子が目覚ましが鳴っても起きないのはいつもの風景だ。
そんな太郎の身体を大きくするためにも大きな弁当箱に料理を手際良く準備している嫁さんも
「太郎~ッ!早く起きれ~ッ」と大きな声で台所から叫ぶが、もちろん反応はない。
私もそんないつもの風景に馴染んでいるが、私はトントンと2階へ上がり、耳元で目覚まし時計のアラームが鳴り響いているが、生きていて安心するも目覚める気配の全くない太郎を起こす。
うつ伏せで寝てたら背骨をグーッと押し、仰向けなら胸をゆっくり押しながら、
「太郎!早く起きろ!!」と声を声を掛ける。
パッと太郎は目を開け、
「起きてるよ!」
これもいつもの風景だ。思いっきり寝てたぞ!!って内心ムッとするが、そこはスルーして「早く降りて飯を食って学校行けよ。」と大人の対応でっす!
私が休みの日にゆっくり寝ることもありますが、太郎の目覚まし時計で起こされます。
息子の耳のすぐ近くで目覚まし時計のアラームが鳴っているのに、けっこう離れた私がその目覚まし時計のアラームで起こされる・・・。
不思議な風景ではあります。
しかし、息子は目が覚めたら行動は早いのです。
ご飯を食べて、着替えてしばらくしたら出発します。
起きて20分後には学校へ向け出発できるのですからさすがです!
嫁さんも料理を作るのに忙しいが、冷蔵庫を開けて食品を選んでいると、
「ハックションッ!!」
冷蔵庫のど真ん中にくしゃみをする・・・。
最初の頃はビックリしましたが、私は呆れてしまいます。
「普通、くしゃみをする時は、顔を冷蔵庫のど真ん中に向けてせずに、顔をそむけるやろ。ドリフのギャグじゃないぞ・・・。」と私は言っていたが、改善なし。これもいつもの風景だ。
偉そうに言う私も、嫁さんや娘、太郎から見たら私のいつもの風景はあるんだろうなぁ・・・。
私がご飯を食べたり、歯磨きをしたりと出勤前の準備を忙しく整えていると、
「父さん、パンツ姿でうろうろするの止めてよ・・・。」
と乾いた娘の声。
そうだった!
私は家ではすっかりくつろいでいて、動きやすいこのスタイルで過ごしているのだ!
やはり私にもいつもの風景があった・・・。