高校野球!フルスイングとガッツポーズ

野球に燃える息子太郎の野球部は夏休みに県外で一週間近く武者修行の旅をして、その地域の強豪チームと戦います。

 

私は仕事で同行できませんが、太郎にわずかばかりの小遣いを渡し、

「お前!ホームラン打ってこいよ。これはホームランを打つ前祝いだ。夜メシの足しにしてくれ。」

と送り出しました。

太郎は真っ黒く日焼けした顔に白い歯を見せてニッと笑い、目に力を入れての返事です。

「おうっ!!」

 

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同行して下さる父兄よりラインにて練習試合の経過を教えて下さいます。

武者修行3日経って太郎は3試合に出場してヒットはけっこう打っていますが、ホームランは出ていません。

夜にラインで、

「お前!ホームラン打ってないなぁ。渡した金を返せよ。」

太郎はカラダを痛めているのか

「湿布を買って使ってしまった。」

「アホッ!湿布はそんなに高くないやろ。返せよ。」

 

翌日、太郎は第一打席目でオームランを打ったのでした!!

 

この悪魔のようにひどく、そして小汚くセコイ私のラインが功を奏したのかもしれません。

結果オーライという言葉もあります。

世の中、キレイごとばかりではなく、見栄と欲と打算が渦巻いていることもあります!

私のことですが・・・。

そして、台風10号の影響で野球部は武者修行の予定を少し早めて、太郎たちは一回りも二回りも逞しくなって帰って来たのでした。

 

その数日後に、ついに公式戦が始まったのです。

甲子園に出場できなかったチームは次こそはと頑張っているのです。

4チームによるリーグ戦で上位2チームが決勝トーナメントに進めます。

 

 太郎のチームの初戦は県内でも有名な強豪チームとの対戦です。

この一戦は、新チームの今後を占うための大切な戦いです。

私もこの日は仕事が休みで、応援に行きました!

 

★フルスイング本領発揮!!

太郎は3打数ノーヒットで、迎えた4打席目です。

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太郎の空振りのフルスイングに歓声が上がります!

太郎はフルスイング講座を開催できるくらいの勢いでフルスイングします。

 

そして、ドンピシャリのホームラン!!

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◎2枚ともボールが左上にあります。

同点のツーランホームランです!!

試合は最終回にサヨナラ負け・・・。

 

翌日の試合でもホームランを場外へかっ飛ばしました。

ウソのような本当の話です。

 

フルスイングといえば、ソフトバンクホークスの柳田悠岐選手ですね!

あの凄まじいフルスイングは見る者を惹きつけます。

 

★かっ飛ぶ打球の問題点

野球で打者がかっ飛ばすのは、野球の大きな魅力の一つですが、問題もあります。

高校野球は金属バットを使用します。

木製のバットよりも反発係数が高い金属バットは、木製バットの打球より速くなります。

スイングスピードの速い選手の打球はとても速く、かっ飛んで行きます!

その打球は150km/hをゆうに越えるといわれています。

太郎も場外ホームランを何本か打っています。

1974年に高校野球で金属バットが導入され、それ以前よりもホームランの数が増えています。

高校野球の選手は体格も大きくなり、運動理論の進化や筋トレなども効率的に行い、さらにパワーアップしていて、ホームランも量産されるようになり金属バットの猛威は続いています。

打球が速すぎて守備する側がケガをする場面も増えています。

木製バットと同じ反発係数の低反発の金属バットをアメリカの大学、高校、リトルリーグでは使用しています。

台湾や韓国もほとんどの大会で木製バットを使用しています。

実際に金属バットの打球を見てみると速いの何の!

 

選手の安全のためにも日本の高校野球も木製バットと低反発の金属バットのみを使用する方向に進むことを望みます。

 

★ガッツポーズ

「お前!ホームラン打ってガッツポーズしてるか?」

ふと思い、尋ねると、

「オレはガッツポーズをしない!」

とソッコーの返事。

 

ガッツポーズという言葉は和製英語で、その始まりは、1974年にボクシングのガッツ石松さんがWBC世界ライト級王座に挑戦した時、下馬評ではガッツ石松さんが不利とありましたが、見事KO勝利を収め両手を挙げて喜びまくった姿が「ガッツポーズ」と表現され、有名になりました。

しかし、1972年に発行されたボウリング雑誌の「週刊ガッツボウル」でストライク取った時の決めポーズをガッツポーズと言われていたこともあり、諸説あるようです。

 

 

ガッツポーズには賛否両論あるようですが、剣道の試合では、1本取ったとしてもガッツポーズを取ったらその1本が取り消しになるということもあり、ガッツポーズを禁止している競技もあるようです。

大相撲でも勝った力士がガッツポーズを取って問題になることがよくあります。

 

今年の夏の甲子園で明石商業の監督がガッツポーズを取りすぎて関係者から注意を受けたことでも話題になりました。

 

高校野球ではガッツポーズは禁止されているわけではないのですが、派手にガッツポーズをするのは好ましくなく、日本高校野球連盟の審判規則委員会で「高校野球・周知徹底事項」のマナーについて明文化されています。

《喜びを誇示する派手な「ガッツポーズ」などは、相手チームの不敬・侮辱につながりかねないので慎む》

 

例えば、打者がチャンスの時に、ヒットを打って得点が入った。

歓声が上がった。

例えば、ピッチャーが満塁のピンチの時に、大打者を三振で抑えた。

歓声が上がった。

 

ご本人しかわからないストレスやプレッシャーから開放されて、あるいは感情が高ぶり興奮状態になり、思わずガッツポーズする。

悪意は全くなく、相手への不敬の思いもないでしょう。

 

派手なガッツポーズとは、ご本人の受け止め方、味方チーム、相手チーム、観客の受け止め方がそれぞれあり、これは良い、これは派手だとこれまた議論が尽きなくなります。

ガッツポーズをしないというのは、わかりやすいです。

私は野球を見ていて素晴らしい投球をしたピッチャー、ホームランを打った打者、スーパープレイをした野手がガッツポーズもせずに淡々としている姿に美しさを感じますが、みなさまはいかがでしょうか?

みなさまそれぞれ立場があり、生きてきた環境も違い、ポリシーがありますからこれが正解という答えはありませんが。

野球に限らず、誰でも一生懸命した結果が上手くいけば、気持ちも高ぶるし、失敗すれば、ガックリ来ます。

良くも悪くも顔の表情、態度に表れます。

ガッツポーズをしないということは、その瞬間瞬間に湧き上がる感情を上手くコントロールして、内なる自分を律し、カラダの表現まで律するサムライ精神につながっていくのかもしれません。

しかし、それを実行するのは難しいことかもしれません。

仏の境地につながっていく道でもあるでしょう。

長い人生では、いろいろ湧き上がってくるプラス、マイナスの感情をコントロールすることが大切であると感じることが多くあります。

喜びすぎたり、落ち込みすぎたりできない状況があるのです。

 

太郎がガッツポーズをしないと言ったことに対して、少なからず嬉しく思いました。

太郎も必ず社会に出るのです。

感情を上手くコントロールしていくことを燃える野球を通して学んで実行していくことは、何より素晴らしいことだと実感します。

また、若武者の一年生も見ています。

先輩太郎が、かっ飛ばしても淡々としていたら、やはり手本としてくれることでしょう。

やはり、サムライ精神はいつの時代も大切なのであります!

 

その後に、私がスマホで撮った太郎のかっ飛ばした映像をよく見ていると、一塁を回る直前で、小さなガッツポーズを取っているようにも見えました。

気づきにくいガッツポーズですが。

「あの野郎!ガッツポーズしてるじゃないかっ!!」

そして、太郎が一塁を回ったところで、スマホの画面が大きく揺れて画像が乱れています。

「そうだ、オレもあの時、ガッツポーズをしてしまったのだ・・・。」

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 これを機に私も我が空手流儀の基本の精神であります仏の境地をさらに目指していくことを内なる自分に誓ったのでありました。

 

「父さん!」

大きな手を広げ差し出します。

「・・・そうか!ホームラン打ったらお小遣いに上乗せだったな。

3本打ったな。すげーなぁ。(今回だけな!と心でつぶやく)」

www.mutouryuuichiban.com私は上記のブログの①を破ってしまった・・・。

ついつい気前の良いことを言ってしまいましたが、案の定、4本目は打たないでくれよと願ってしまいました・・・。

金がなくなる・・・。

 

私は稼がなくてはいけないが、稼げない男は男でない!

と、またひと踏ん張りしなければならない。